身寄りのない成年被後見人の葬儀

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後見終了後Q&A

更新日時:2009年02月02日はてなに追加MyYahoo!に追加del.icio.usに追加

身寄りのない成年被後見人の葬儀

カテゴリー:後見終了後Q&A

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質問
身寄りのない成年被後見人(以下、本人という。)の葬儀は?
回答
 本人の死亡により後見は当然終了するため、成年後見人等には葬儀をする権限も義務もありません。したがって、通常は、遺族が葬儀を主催することになります。しかし、身寄りのない人や、親族がいたとしても疎遠となっているなど、葬儀を執り行う人がいないケースも現実にあります。そのようなとき、成年後見人等が葬儀社と契約し、葬儀を挙行し、葬儀費用を本人等の財産から支払うことができるかどうかが問題となります。
 そもそも、葬儀契約を締結するのは、一般的には葬儀社と喪主であり、成年後見人等が、本人(死者)を代理して契約を締結することはできません。
 そこで、死亡後の成年後見人等の義務としての応急処分義務(民法874条が準用する民法654条)の範囲に含まれるかを検討すると、成年後見人等であった者が喪主として葬儀社と契約を締結したとして「その葬儀に要した費用を、本人の遺産から支出できるか」が問題となります。葬儀契約は、死後に締結されるものであることや、相対的に高額になること、葬儀が成年後見人等の義務とは考えられないことから、応急処分義務の範囲には含まれないという考え方が有力です。
 しかし、葬儀費用を事務管理(民法697条)として支出できることはあり得ると考えることができます。成年後見人等が、やむを得ず葬儀を執り行うときは、遺産の内容や生前の本人の意思を考慮し、適切な費用で行うべきでしょう。

 民法697条 
 1 義務なく他人のために事務の管理を始めた者(以下この章において「管理者」という。)は、その事務の性質に従い、最も本人の利益に適合する方法によって、その事務の管理(以下「事務管理」という。)をしなければならない。
 2 管理者は、本人の意思を知っているとき、又はこれを推知することができるときは、その意思に従って事務管理をしなければならない。
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