更新日時:2009年07月31日



- 本人が介護保険サービスの利用中、怪我をしたときの対応は?
- 本人が、歩行困難等の理由で通所リハビリサービス(以下、デイケアという。)を受けていたところ、施設内の段差で転倒して骨折し、入院したような場合、成年後見人等としてはどのように対応すべきでしょうか。
デイケアのサービスを利用に際し、事業者と本人(利用者)との間で、介護委託契約(準委任契約)が締結されているはずです。事業者は、介護サービスの提供にあたり善管注意義務(民法656条、644条)を負っており、利用者の生命、身体を害することがないよう注意すべき安全配慮義務を負っています。
事業者は、安全配慮義務として、利用者の転倒事故を防止するため構造等の介護施設の安全性を確保するとともに、介護にあたっても利用者を転倒させないよう十分注意しなければなりません(福岡地裁平成15年8月27日判決)。このような注意義務を怠った場合は、事業者は、介護委託契約の債務不履行として損害賠償責任を負います。
成年後見人等は、本人について適切な治療が受けられるよう手配することに加え、事業者に対し、事故が発生した状況や原因について確認し、事業者に安全配慮義務違反がある場合は、本人が被った損害の賠償を請求することになります。
なお、損害としては、治療費、入院費、入院諸雑費、慰謝料などが考えられます。
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